私は新卒としてアンダーセンコンサルティング(Andersen Consulting)で修行をしました。現在のアクセンチュア(株)ですね。
コンサルティングファームと聞くとビジっとスーツをきめてクライアントの戦略立案をする、みたいなイメージがあるかもしれませんが、実際はとても泥臭く人間臭い場所でした。でも、私はそのころの経験に支えられています。
コンサルティグ会社で得たことは業界知識ではなく、
仕事の進め方そのもの。
当時のアンダーセンコンサルティグ(以下「AC」)は1,500人ほどの規模で現在の同社に比べてとても小さかったです。ただし、そこに集まる奇人たちから多くの学びを得ました。
出先となったクライアント企業はリース会社、SPA(製造小売)、生命保険会社などでしたが、仕事の内容としてはSI全盛の時期なのでシステム開発と導入、そして保守の仕事から始まりました。要はプログラマー的なキャリアからスタートしました。
ただし思い出すことは、その仕事の内容ではなく、多くの同僚や先輩・後輩たちの濃ーい笑顔です。
今の時代であればGAFAMに就職するような奇才たちが集まっていた印象です。
客観的に見て、新卒の自称コンサルタントがクライアントに出向いて価値ある仕事をする、って構造的になかなか難しいですよね。クライアントの方が知識が豊富だし、現状の認識もしているのですから。
しかし、なぜそれができていたかは
知識や経験則ではなく、ひたすらにフレームワークをあてはめていた
このことに尽きるのだと思います。
つまり、組織の課題解決や企業の成長というテーマには王道があるのですよね。その王道を「フレームワーク」として体系化して、様々な画面で汎用的に活用できるようにしてあるのです。それがKX(Knouwlege exchanges)というデータベースにアーカイブされていたり、先輩たちの頭の中に整理されていたのです。
そして企業がわざわざ外部のコンサルティングファームに仕事を依頼する意味もそこにあるのです。
そこで鍛えられ、当時はうまく言語化できていなかった自分のスキルは、今となっては「仕事の進め方」そのものなのですね。
どんな業界にも転用できる基本を学んだ
だから私は当時に身につけた仕事の進め方の王道を保育園経営に持ち込みました。当時はACから社会福祉法人の転職する前例がなかったのできっと珍しいキャリアなのでしょうが、その一方で私の感覚としては、ACで教えていただいた数々のフレームワークが保育園の課題解決にハマるわハマるわ!というやりがいの連続でした。
このような基礎的なスキルは何もコンサルティングファームじゃなくても経験したり身につけるできるかと思います。
でも、単なるスキルの蓄積はキャリアにはならない
でも、そのスキルを「キャリア」として自分の武器・財産にするかどうかで、その後の経営者としての行く末が決まってきている気もしています。なので、「前職で学んだことって結局はこのひとつなんだよね」ぐらいにシンプルに捉えておくことで良いのではないかと思います。
そして、当時に私にチャンスや成長の機会をくださった先輩方や同僚のみなさんに改めて感謝を。