ビジョナリー経営ではいつもビジョンやミッションの策定と共有がもてはやされますが、その前に大切なことを。
行きたい目的地(理想・目標)を決める前に、今いる現在地(現状把握)をしないと、ナビはセットできません。つまり行き方がわかりません。
なので、現在地を知る努力を。そのためのキーワードは「長期」「誰かと」。
地図を広げるとまずは今じぶんがいる場所を探すように。
理念を掲げて、そこに向けてどのように進んでいくかを描き、それを実行してゆくことが経営そのものだと思っていますが、その前に重要な現在地を把握することを忘れがちです。
例えば、「金沢城にいく」という目的地の設定をしたとしても、まずは今自分が東京にいるのか、それとも沖縄にいるのかによって、行き方(新幹線&タクシー or 飛行機&レンタカー)はわからないですよね。
そして、現在地を知る術が、スマホやカーナビに搭載されているGPSです。
経営のGPSとはなんでしょうか?
今「なんとなくここにいる」という主観ではなく、複数の人工衛星からの距離を正確に計測してズバリの場所を特定する技術、そのような感覚で経営の現在地(現在の市場内での立ち位置、競争力、知的財産価値、人材の熟成度など)をどうやって把握してゆくか。これは簡単なようでなかなか難しいはずです。
例えばSWOT分析などで、自らの組織の強み/弱み、機会/脅威を分析してゆくことなどもそれに当てはまります。
一瞬で経営の現在地がわかるはずがない
ただし、さまざまは手法を使ったとしても、やはり私が思うのは、現在地をその時点だけで計測するのではなく、一定の期間の中でどのように変化をしていったかで測るべきかなと思います。
一定の期間で、しかも組織の外部から見つめる視点で状況を把握してゆく、だからこそ私は経営のアドバイスや意見交換をしてくださる数人の顧問やアドバイザーの方々の存在を大切にして、長いお付き合いをお願いしています。
そして、経営の数値も1期分だけ見ても現状はなかなか掴めないもので、数期に渡る財務数値を見て初めて現在の状況がわかってくるものです。
現在地を知ることはちょっとコワイ
私の本音の部分にもある気持ちとして、今の現状に目を伏せたい、そして理想という綺麗事だけを言っていたいという願望があります。これは割と多くの方にもある気持ちではないでしょうか?
だからこそ、現在地を知る作業は孤独の中でするのではなく、こちらを定点観測してくださる方との会話や分析の中で行った方が精神的にも良いですよね。
私も、自ら法人を経営する一方で別の会社さんや保育園さんのアドバイザーとして関わらせていただくことが多いのですが、その際も経営者の伴走者として、率直に私から見えるその会社や組織の現在地をお伝えするようにしています。