引き続き、ChaChaの理念体系であるミッションステートメントの中で2番目に掲げられているビジョンです。
ビジョンは「どんな姿を描いているか」を定義するところ。だからこそ、イメージしやすく、組織の中で共有しやすい
→そのままコンセプトにできる!
私たちのミッションステートメントを再掲します。
そしてVision(ビジョン)を2021年4月からEducation is Empathy「よりよく理解しあうことで、世界は変わる。」に刷新しました。
それまでは「オトナな保育園」というビジョンを定めていました。
以前から「子どもを一人の人間として尊重する」という考え方(子ども観)をもっていたグループなので、「先生と生徒」でもないし「教える側と教わる側」でもない、フラットでリスペクトし合う関係性が特徴の保育園でした。だからこそそれを「オトナ」というイメージで束ねた形です。
このコンセプトを定めてから、徐々にスタッフの方々も自分の言葉で子ども観を語るようになってくれましたし、このコンセプトに共感して入職してきてくれたスタッフの数が増えてくることも合わさっての組織作りが定着してきたころに、実は私は「もうこのコンセプトではダメだな」と思い始めていました。
コンセプト定着してきたということは陳腐化のサイン
ここが難しいところなのですが、スタッフのみんなやご利用者の方々が気に入ってくださって愛着を持って語ってくださるコンセプトになってくる頃には、時代性も社会の興味関心・課題も変わってきているものなのです。
私は、スタッフのみんながいつのまに「コンセプトを超えた視座」を持ち始めていることに気づきました。
子どもを一人の人間として捉える「子ども観」
からさらに視座が上がり
子どもを社会の中での市民として捉える「子どもと社会観」
になっていたのです。
そこで、このまま愛着あるコンセプトワードに寄り添うことでコンセプトが陳腐化してゆくことは良くないので、新しいコンセプトを立ち上げることによって、さらに高い視座を設定することにしたのです。
シチズンシップ教育という概念へ
その際に、クリエイティブパートナーの水野学さん(good disign company)から教わったのが、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ著)という本でした。
そこに「さらに高い視座」のヒントが見つかったのです。それがエンパシー(Empathy)です。
子どもを一人の市民として見つめるからこそ、私たちは街の中での子どもの存在感のあり方に関心が向きましたし、彼らが創ってゆく未来の社会により想いをはせるようになりました。
これが私たちが設定した新しいビジョン(Vision)なのです。
では、私たちの新しいコンセプト「Education is Empathy」についてのコピーを掲げておきます。
「オトナな保育園」という
ビジョンとともに子どもたちを一人の人間として見つめ、向き合ってきた 茶々保育園グループは、2021年、次のステージへ進みます。
新しく掲げるビジョンのキーワードは、エンパシー。
テレパシーのような非日常的な超能力ではなく、 シンパシーのように「思いやる」「共感する」だけでもなく、
考え方や立場が゙異なっても、相手の身になって その人のことを「よりよく理解しようとする」チカラ。
これまでも大切に思い、追求してきたもののひとつである、このエンパシーを「日々の保育・教育の柱」に据えていきます。
乳幼児には安心・安全・健康を確保するにとどまらず細やかな感情の変化を読み取り、脳や心によりよい刺激となる言葉を交わしたりスキンシップを実践していきます。
そこから成長した子どもたちに対しては、 一人ひとり異なる発育や個性を見つめ、対話を重ね、 教える・指示するのではなく、ともに考え、深めつづけながら、それぞれの興味や関心、学びを大きく広げていきます。
このような保育・教育を通して望むのは、 子どもたちの中にもエンパシーが芽生えることです。
エンパシーで人と人の関係性はよりよいものになるでしょう。 さらに、対象を人に限らず自然や生物・物語の世界や世の中のできごとにまで広げれば、観察力や思考力、発想力や創造力もより豊かに育つはずです。
このようなビジョンを掲げる理由は、 世界共通の課題とされる持続可能な社会の実現に、 子どもたちのチカラが不可欠だからです。
そして、環境保護や気候変動、貧困や格差、分断といった ますます深刻化する多種多様な問題を解決するカギがこのエンパシーにあると信じているからです。
さらにこのビジョンは、子どもたちや保育園だけに限定するつもりはありません。保護者や地域の方々はもちろん、広く社会の人々と共有し、参加いただくことで、少しずつでも、 確実に世の中に新たな動きを起こしていきたいと考えています。
これから来る未来がどんな時代になるかわからない。
だけど、一人ひとりが生き生きと自分を発揮し、 そんなみんなのチカラを合わせて、よりよい未来にする。
茶々保育園グループは、そのような理想の実現を “子どもを真ん中に”本気で、全力で取り組んでいきます。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の体系の中で
ミッションは概念的であり、バリューは具体的になりがちです。
そんなかでビジョンというのは「ちょうどよい」感じで一人歩きしてくれるコトバになります。そこで、ChaChaの場合はこのビジョンをそのまま組織のコンセプトとして発信することにしています。