先日もとある人のSNS投稿を見ていて、あれ?と思いました。
「これからはブランディングのために新たに○○を取り入れましょう!」というメッセージでした。
それは違うよなぁ、となぜ私が思ったのか。
ブランディングは足し算ではない、引き算です。
新たに何かを始めるのではなく、何かをやめることがブランディングです。
市場が変化し、社会のニーズやウォンツが変容する中で、サービス・商品の生き残りのために新しい取り組みを追加したくなる気持ちはよくわかります。
誰かの目に触れるために目立ちたくなるし、新しいことをやっているイケてる事業として評価されたいですものね。
でもブランディングの発想からすると、それは本当に「らしさ」を際立たせるのでしょうか?
消費者は馬鹿ではありません。むしろ情報選別に長けています。小手先の話題作りはむしろ「なんだかよくわからないサービス」「にせもの商品」という評価が待っているかもしれません。
ブランディングは宣伝ではない
ブランディングは個性や「らしさ」を整えてゆくことであって、マーケティングや宣伝とは一線を画すものです。つまり、勇気をもってこれまでやってきたけど「らしくない」ことをやめることが必要なのです。つまり引き算なのです。
インナーブランディングです、まずは。
そして、ブランドの価値創造の背景には、そこで働く人々のプライドや愛着が必要です。つまり、外に対して何を発信するかよりも、よっぽど中を優先すべきです。
そのブランドに対して彼らの共感なしに新しい付け焼き刃の取り組みをしたところで、何も生まれません。
そのブランドのミッションステートメントに沿わないことを洗い出し、思い切ってやめる。その経営者の勇気が姿勢としてそこで働く仲間たちにメッセージとして伝わる。もうそのことで既に生まれ始めている熱がブランドなのです。