経営にとってデザインとはどのような位置付けなのでしょうか?
私のところにはこれまで何度となくデザインについてお問い合わせがきました。しかし、そのご要望になかなか答えられない場合が多く、それはなぜだろう?と考えた結果、デザインそのものの捉え方が違うからだということに気づきました。
「見た目」をよくすることがデザインではない。
「伝える」ことに、とことんこだわることがデザインだ。
私が経営しているChaChaグループは保育園業界の中では比較的知られています(注:有名になることはゴールではありませんし、もっと有名で素敵な保育園さんはたくさんあります)。
たしかにこれまで建築としても、いかにも保育園っぽいという感じではないです。
そこでよく聞かれることに
建物がオシャレですね。どこの設計士さんにお願いしているのですか?
とか
どの業者さんにホームページの制作を依頼しているのですか?
というご質問があります。
でも、どこの誰にお願いするかが最終的な見た目を決めているのではないので、そのご質問にお答えしても相手の課題解決にはならないのです。
そして見た目を良くすることやオシャレにすることは決して僕の目的ではないのです。
では、何が目的か。それは「伝えること」です。
つまり、僕の場合は保育園という場所で行われているハイレベルで専門的な教育やクリエイティブな工夫がもっと世の中に伝わるべきだと思っているのです。それを伝わることをとことんこだわってきたら、クリエーターの方々との協業をすることが増えましたし、結果としてスッキリしておしゃれになったというだけのことなのです。
逆に言うと、伝えるべきものや伝えたいことがなければ、デザインがチカラを発揮することはできないと思います。
「デザイン経営」の本質
よく、「デザイン経営」という文脈で語られることが多くなってきましたが、その本質は「経営というものにデザインの要素を入れてゆく」というような表層的なものではないのです。経営そのものの真ん中にあることを突き詰めたら、そこにデザインとの親和性を見出すことができる、ということなのです。このあたりの考えはまた改めて書きたいと思っています。
ただ、今回これだけは書いておきたいです。
どんなデザイナーと組むか、どんな建築家を雇うか、そこから考えてしまってはダメだと思います。そんなことは二の次です。
あなたの会社は経営者であるあなた次第です。あなたが伝えたいことが何か、で会社のデザイン性が決まります。